NPO法人タブララサ

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伊東豊雄「瀬戸内の島でやりたいこと」

6月9日(水)に神戸芸術工科大学が行われた建築家の伊東豊雄氏の講演会を聴きにいきました。
せっかくなので、その前に三宮に寄り、アースデイ神戸2010でタブララサのリユース食器を導入してくれた矢野さんと一緒に昼食。

その後、栄町エリアなど神戸のオシャレな雑貨屋を巡り、こんな事務所だといいなと夢を膨らませました。
気に入ったのは「栄町ビルディング」。
いつかタブララサの事務所がこんな素敵な空間になればいいな。


そして目的の講演会へ。

100609伊東豊雄・講演会1


テーマは「瀬戸内の島でやりたいこと」。

しまなみ海道の大三島(今治市)に建設中の「伊東豊雄建築ミュージアム」についてのお話。
今治市の市報に詳しいです。こちら(PDF)

このプロジェクトが始まるまで大三島には行ったことがなかったそうです。
きっかけは、ところミュージアム大三島。
この小さな美術館の持ち主であった所さんが市に美術館を寄付され、今治市でその傍にもう1つ美術館を作りたいとなり、それの設計依頼が最初。
その話が最終的に今の形に。オープンは来年7月の予定とのこと。しまなみ海道を渡る楽しみが一つ増えました。

伊東さんが大三島を訪れたときの感想として、
島の方たちが振る舞ってくれた牡蠣がとてもおいしかったと話してました。
海がきれいで食べ物がおいしくて人が優しいというのは、ほんとにどこの島でも言われることです。
それがほんとのことなのでしょう。
(東京からだと)、「行くのは大変。でも行ってしまえば楽しい。」とも。

そんな前置きの後、まずこの建築ミュージアムでやりたいことを話されました。

1.展示・・・TOYO ITOとその時代
2.教育・・・若い建築家の育成、小学生の建築教育
3.まちづくり・・・今治市を考える
4.アーカイブス・・・TOYO ITOのアーカイブ作り

中でも2.教育への思いを強く感じました。
若手建築家に大学ではできないことを教えたい。
学生や子どもたちと関わり、まちのことを考える。
それを瀬戸内の今治でやりたいというのはとても嬉しい大きなことです。

伊東さんが育った長野県の諏訪で小学生と公園作りのワークショップをされたとき、
ひとりの男の子が、伊東さんにアイデアを褒められたことがきっかけで、
それ以外のすべてのことに対しても、自信を持って振る舞えるようになったそうです。
また、小さなときに自分の住む町のことを考えることにはとても大きな意味があるとも言われてました。

そして話はベルギーでのいくつかの案件へ。
木をその形態に留めず、生成する秩序として建築のモデルにできないかとチャンレジした話や、「本のまち」をコンセプトした図書館のプロジェクトの話など。

そんな経験から、海外(ベルギー)と日本では建築に対する市民の理解度が違うのだと。
ヨーロッパの人は建築を愛しているし、信頼している。
日本は「早くてキレイ」にできるけど、それは十分な議論を重ねないからではないかという言葉。

それらの経験を踏まえ、今は子どもたちと話をすることが面白いという話へ。
たった1日の関わりで、子どもたちが自信を持って振る舞えるようになった。
それだけで、10年後が違う。
そんな子が1人いるだけで全然違う。
1人でも理解のある人がいるだけで、プロジェクトが違ったものになるそうです。


100609伊東豊雄・講演会4

最後に、表題の「瀬戸内の島でやりたいこと」へ。
そこで言われたのが、伊東さんが育った諏訪湖畔とこの瀬戸内海はネガ/ポジの関係にあるということ。
閉じた湖の回りの陸地と、開かれた海の上の島という対称性。
ルーツやずっと考えてきたことが、この瀬戸内でできるのではないかという期待を持たれているのがよく伝わりました。


感想(金田)
・調べてみると、総工費のうち5000万円も、伊東さん自身が出資する。これは驚き。
・丹下健三の出身地が今治市であること。
・「本のまち」の話を通じて、事務所としてどんな風にプロジェクトが出来上がっていくのかを詳しく話してくれました。
スタッフがぱっと共有できるイメージ(=本のまち)が生まれた瞬間に、すっと進んでいくというのは、建築に限らず、どんな場面にも当てはまる大切なことだなと感じました。
・子どもと関わることは、子どもにしか考えることの出来ない発想やアイデアがあり、そのことをとても尊重していたのが印象的。
「僕らが考えて難しいことを子どもなら考えることができる」という言葉。


感想(河上)
質疑応答で、神戸芸工大の学生から質問が出ました。

学生 : 「私たちも、子供向けのワークショップをしていくつもりなのですが、
     伊東さんは、子供ワークショップの目的やゴールはどのように設定していらっしゃるのでしょうか?」
伊東氏: 「現在の日本は建築の見方が偏っていると思う。子供のうちから建築に触れることで、
      数多くの子供たちの中から、一人でも二人でも、本物の建築がわかる人間が出てくれたら
      それでいいじゃないですか。」

確実に目に見える建築を作る人が、
目に見えない、先の遠い、だけどとても希望の持てる感覚で話されることに、
心動かされました。

「20世紀の建築は、余計なものを排除したもの。
それが多数の建築物の建設に役にたってはいる。
ただ、同じような建物ばかりの中で、建物も人もうずもれてしまっているのではないか。」

「建築をもっと楽しく面白いものにしたい。」

「建築の中にいて、どうやったら外にいるように、明るくのびのび過ごせるか。」

「自然との関係を建築化する。」

「自然と一体化して、自然と交感しながら人が集まる場所。
 最低限の隔たりが建築、というのが理想。」

最初から最後まで穏かな講演会。

でも内容は研ぎ澄まされている。

日本の巨匠とよばれる人が、伊東さんのような人で本当によかった!


  1. 2010/06/10(木) 12:49:32|
  2. 瀬戸内
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